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日比谷・シャンテシネの看板

久し振りに日比谷で映画を見ることにしました。調べてみると、ヘレン・ミレン主演の“黄金のアデーレ”の評価が高いようなのです。劇場もおなじみのシャンテ・シネで、外れの少ない映画を見せてくれているのでそれならと出掛けることにしました。

何時もの通り、“銀座でランチ”というウエッブ・サイトで昼食をどれにするかを調べてみました。個人的な経験では銀座でのランチでは信頼が出来る記事だと思っています。銀座“竹の庵”の¥1,100の昼の定食を食べることにしました。私は少し朝早く出て浅草から墨田区の神社を巡り江戸の狛犬と江戸の雰囲気が感じられる川向こうの街を歩きました。家人は御徒町のアメ横の”星野”で例の通り国産のカンブツ類を買い、1時に地下鉄銀座線の上野広小路駅で待ち合わせて銀座4丁目に向かいました。

開演の時間です。暗闇の中で、ワクワクする一時の空想の世界を楽しむことにします。 2015.11.30

銀座のランチ・竹の庵

地下鉄銀座駅で下車、途中の三越デパートの地下で、今ではそれほど知る人も少なくなったようですが“泉屋のクッキー”大袋を2個買いました。この徳用大袋は他のデパ地下では見つけられないのですが、三越にはあるのです。

直営店はとっくになくなっていて他の菓子類と一緒に売られています。普通サイズの袋は残っているのですが、これは大体1〜3個程しか残っていません。やはりファンが居るのだといつも思うのです、今日もこの2個だけが棚に載っていました。


銀座4丁目交差点から有楽町に向かって、2つ目の角を左に曲がって5丁目方向に進むと左側に目的のビルがありました。4階のエレベーターを降りるとすぐ店の入り口です。時間をずらしたので直ぐ部屋に通されました。和食の店で昼の定食だけが安価、そして個室と”銀座でランチ”に書かれていました。まさにその通りで二人用の個室に通されました。幾つかの¥1,100の定食の中から二つを頼みました。因みに銀座3丁目にも店があるようです。住所:東京都中央区銀座5-6-13 西五番街ビル・4F2015.11.30

左のサラダはドレッシングが大変良い味でした、定食なのにドレッシングの味を選べるのです。右上は茶わん蒸し、刺身に里芋の煮物、豆腐に漬物、小鉢の佃煮と漬物、箸を付けていると温めてきたらしい鶏肉の焼物が出てきました。最後のコーヒーも良い香りでした。2015.11.30

ご飯は白米か、玄米かと聞かれました。家人は玄米、私は白米を頼みました、そしてみそ汁とご飯はお代わり自由と言うので私は後からお代わりをしました。係りの人が運んできた定食を見てびっくりその種類の多さに。そして食べてみると、味もとても定食だと力を抜いているようには見えません。もちろんこの店の普通の高価な懐石料理とは違うでしょうが、中々の味でした。高級な食べ物を食べたもののない感想ですのではっきりはしませんが。

すっかり満腹して映画に間に合わないといけないので店を出るべくレジに向かいました。そうするとコヒーがありますと言われて恐縮してしまいました。銀座でこの値段と種類と味を個室で堪能させてもらって申し訳ない気がしているのに、更にコヒーと言われて更に恐縮しました。“銀座でランチ”と言うサイトの記事に感謝しました。線路をくぐると日比谷の映画街、少し早かったのですが混むといけないので早々に切符を買うことにしました。 2015.11.30

黄金のアデーレ

主人公のマリア・アルトマンは ヘレン・ミレン。主人公と共に奮闘する弁護士ランドル・シェーンベルク(ショーン・バーク)“が ライアン・レイノルズ。この二人はユダヤ系の人々です。オーストリアでの良心的な支援者で記者のフベルトゥス・チェルニン はダニエル・ブリュール。出来る限り内容には立ち入らないようにしたこの映画の感想です。

有名なクリムトの1907年の作品『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』をモデルの姪であるヘレン・ミレン演ずるマリア・アルトマンがオーストリア政府との長い法廷闘争の結果取り戻す物語です。私はただなんの準備もせずに映画を見たのですが、事情を調べてから見ればもっと理解が深まったと思っています。

マリアの叔母にあたる絵のモデルのアデーレ・ブロッホ=バウアーは自らの家系のバウアーと夫のブロッホの複合姓を名乗ったとウイキペデイアに書かれていました。その意味が名前の=であるようです。ウイキペデイアに、映画の主人公マリアの叔母であるアデーレの印象として、顔立ちが理知的で洗練されていたとか傲岸不遜の性格だったと書かれている事を知っていればもっと深く楽しめた気がします。このクリムトの絵画とそのモデルこそがまぎれもないもう一人の映画の重要な主人公に思えるからです。

映画はカリフォルニアとオーストリアの場面が入り組んで進みます。アメリカでの場面は何処か乾燥したアメリカ映画の雰囲気に感じましたが、マリアの思い出が多く語られるオーストリアでの物語は陰影深く重厚に見えます。アメリカの映画とヨーロッパの映画が合わさったような印象を持ちました。私には1938年のナチス・ドイツによるオーストリア併合とドイツ軍侵攻後に、幸福に満たされた家族の運命が暗転するマリアの思い出の部分が深く印象に残りました。ダニエル・ブリュールが演じるオーストリアの記者フベルトゥス・チェルニン の登場がヨーロッパでの物語に更に深みを加えているように思えます。クリムトの黄金のアデーレの絵画がいつまでも印象に残り、この映画の思い出が色あせる事はないようです。この事も併せて評判通りのかなり楽しい映画に巡り合えました。2015.11.30

映画館の前も閑散としています。日比谷公園の散策とも思ったのですが、面倒なので早めに館内に入りました。

平日の午後なのでそれほど館内は混んではいませんが6割がたは席が埋まっていました。

映画が終わって通りに出るとすでに初冬の早い夕暮れが辺りを覆っていました。かなり良い映画に出会えた充足感に満たされながら千代田線の地下鉄に向かいました。2015.11.30

葛飾区亀有駅前・両さんの像

知合いの見舞いのために地下鉄千代田線で亀有までやってきました。土地勘が全くなく亀有駅の所在する位置も分かりません。途中北千住の駅を通り、今年の春中山道から海までのジョギングの折に立ち寄った千住宿だと分かりました。

亀有駅に降りながら冗談に漫画の”こちら葛飾区亀有公園前派出所”の両さんの銅像でもあるのではないのと言ったところ、まさに目の前にそれが現れました。冗談から駒です。うす暗いのではっきりしませんが黄金色のかなり前衛的な表情の両さんが何故か手を挙げてくれていました。

先ほど有楽町で見た映画"黄金のアデーレ"は、私の普段の生活とはかけ離れた世界の物語で少し身構える必要がありますがこちらは私の皮膚感覚の世界です。少し恥ずかしかったのですが傍に立って記念写真を撮りました。

午前中に江戸の狛犬を見て、銀座のランチ、良い映画、最後に両さんの銅像、中々中身の濃い一日でした。2015.11.30

 

01/31/2017
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